野菜の育て方
さやえんどう栽培
さやえんどう栽培
さやえんどうの栽培方法のご紹介です!
さやえんどう栽培 メニュー
さやえんどうの栽培について
さやえんどうはマメ科のエンドウと言う野菜の別称です。エンドウは莢がどのくらい成長してから収穫したかで呼び名が変わります。エンドウと言う大分類のうち、莢が未熟なうちに収穫し莢ごと食べるのが「さやえんどう」、もう少しだけ成長させて柔らかい豆を食べるのが「グリンピース」、完全に成熟させた太った豆だけ食べるのが「えんどう豆」となります。近年よく聞く「スナップエンドウ」はこのどれにも当てはまらず、莢のシャキシャキ感と豆のホクホク感がダブルで楽しめるというお得な品種のことを指します。どれも違った魅力がありますが、ここでは一番早くに収穫する「さやえんどう」の栽培について主にご紹介します。
さやえんどう栽培のポイント
冬前までは小さく
越冬前に大きくなりすぎると寒さに枯れてしまうことも。種まき時期に注意。
ネットで誘引する
さやえんどうは150cmくらいの大きさもなるので支柱・ネット、土寄せで対応を!
ハモグリバエに注意
エンドウが大好きなハモグリバエ。大量に発生すると生育に問題が。
種まきの時期を守る
さやえんどうの種まきに適しているのは10月半ば~11月半ばごろ。発芽の適温は10~15℃くらいと言われています。種を早く蒔くと冬になる前に苗が大きくなりすぎて、冬の寒さに耐えられずに枯れてしまうことがあります。こうならないためにも、種をまく時期は早めないようにしましょう。
支柱、ネット・土寄せで支える
さやえんどうは背丈が150cmくらいになる上、ひょろひょろとしたツルをたくさん伸ばします。そのため、栽培中期からは支柱を立てるかツル植物用ネットを張って誘引を行い、株元の土が痩せてきたら土寄せを施してあげる必要があります。
天敵はハモグリバエ
ハモグリバエはエンドウをよく好む害虫のひとつ。葉の中に幼虫が潜り込み食害をするので、とにかく繁殖を防ぐことが大切です。10月ごろには発生数が少なくなりますが、念のため黄色粘着シートなどで予防をしておくことをおすすめします。
さやえんどう栽培1:栽培の準備と植え付け
用意するもの
- 絹さやえんどうの種
- プランター(幅65cm程度)
- 鉢底石
- 野菜用の培養土(元肥入り)
- 化学肥料(追肥用)
STEP1:プランターの準備をする
さやえんどうは、種をそのままプランターに直播きして育てることができます。おすすめのプランターサイズは横幅65cmほど。横幅40cmくらいの物でも問題ありません。プランターを決めたらまずは底に鉢底石を敷き詰めて水はけを良くし、土をプランターの上側3cm分ほど残して入れていきます。使用する土は肥料入りの市販の野菜用の培養土を使用すると自分で配合する手間が省け簡単です。
STEP2:種をまく
土の準備が終わったらいよいよ種をまきます。方法は点まきで、穴の中に数粒ずつ置いていくような形。さやえんどうの場合はひとつの穴に3、4粒ずつ置いていきましょう。株の間は10~15cm開けるようにします。65cmのプランターなら4、5株ほど栽培できます。置き終えたら土を被せ、手で軽く押さえてから水をたっぷり与えましょう。さやえんどうの種は嫌光性なので被せた土が薄いと芽を出しません。指の第一関節くらいの深さまで埋まるようにしましょう。
STEP3:発芽後、間引く
2週間くらいしたら弱い芽は摘みとってしまいましょう。3、4本ずつの芽のうち生育の弱いものから取り除いて、最終的に2本ずつになるようにしましょう。
さやえんどう栽培2:日光・水やり・肥料
日当たりの良い場所を好む
さやえんどうは日当たりが良く風通しのよい場所を好みます。どんどん成長するので、日当たりの良い場所で管理しましょう。
水やりは土が乾いたら
過湿に弱いので土が乾く都度にたっぷり与えるようにしてください。冬の間は日が出ている昼間に行います。
追肥は重要なポイント
マメ類の根には「根粒菌」と呼ばれるバクテリアが存在していて、大気中の窒素を苗に送る役割を持っています。そのためほかの野菜に比べて窒素系の肥料を与える量が少なくて済むのが特徴です。さやえんどうの場合は花の咲きはじめたころから追肥を行い、そこからは14日に一度くらい与えましょう。窒素よりもリン酸・カリを多めに含んだ肥料がおすすめ。
また、追肥を行うたびに株元をチェックし、土が痩せてきているようであれば土寄せも行ってください。土寄せとは名前のまま、株元に土を寄せることを言います。苗の姿勢を安定させたり水はけをよくする働きがあります。
さやえんどう栽培3:支柱・ネット立て
支柱やネットで苗を支えてあげる
さやえんどうは背が高くなるのと、さやをたくさん伸ばす野菜なので、誘引して生育しやすい環境づくりが必要です。支柱を立てて紐で固定しても良いですが、ツル植物用のネットを使用すると簡単です。
さやえんどう栽培4:寒さ対策
冬には敷き藁をしよう
さやえんどうは大きくなるほど寒さに弱くなります。寒さで枯れてしまうことを防ぐために、真冬の時期には敷き藁で保温してあげることをおすすめします。敷き藁をすることで雨の跳ね返りを防ぐこともできます。ペットショップなどで買えるもみ殻でも代用することができます。
さやえんどう栽培5:収穫について
開花~いよいよ収穫!
さやえんどうは3月半ば~4月上旬あたりに開花します。そこからさやを付け始め、さらに2週間後くらいが収穫期です。さやえんどうとしての収獲のタイミングは「中の実が少し大きくなってきたら」です。大きくなりすぎるとさやえんどうとしては食べられません。時期を逃してしまったら、もう少し育てて「グリンピース」として収穫しても良いでしょう。収獲する際はさやの根本の方からハサミでカットします。
種を収穫したい場合はさやが枯れるまで放置すれば採取できます。ただしさやえんどうは連作障害を起こしやすいとされる代表的な野菜なので、採取した種を同じプランターや土で育てるのは控えましょう。一度さやえんどうを栽培した土でふたたびさやえんどうを育てられるのは5~6年後と言われています。
さやえんどう栽培6:病害虫について
ハモグリバエに注意!
さやえんどうはハモグリバエの大好物なので、葉で繁殖させないように気を付けましょう。その他、カメムシやアブラムシにも注意が必要です。豆類は鳥にも狙われやすいので不織布などで物理的に守ると安心です。下記の各害虫名をクリックすると詳細ページにいけます。
- ハモグリバエ …幼虫が葉に潜って食害し、葉に模様を付ける。通称エカキムシとも呼ばれる。
- カメムシ …豆類は莢が被害に遭いやすく、実がデコボコになってしまうことがある
- アブラムシ …群れになり植物の汁を吸う。病気のウイルスを持ち込むこともある。
- アザミウマ …細長い体をした群れるタイプの害虫。スリップスと言う別名がある。
害虫被害に遭わないために
害虫から守るためにはプランターに寄せ付けないのが一番。繁殖させると被害が一層大きくなるため、事前に出来る限り対策をしましょう。元気のない葉や枯れ葉は虫の住処になりやすいので放置せず処理しましょう。
薬剤を使わずに寒冷紗や不織布、を被せて物理的に苗に近づかせない方法もあります。
また、羽の付いたアブラムシやアザミウマ、ハモグリバエなどの虫は黄色い色に誘引される習性を持っているため、これを活かした「黄色粘着シート」というトラップで寄ってきた虫を駆除することもできます。
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