野菜の育て方
トマトの育て方
トマトの育て方について
比較的簡単な野菜
トマトは、これから野菜を栽培しよう!と思う方がまず頭に思い浮かべる野菜のひとつではないでしょうか。実際にプランターでも畑でも比較的育て方が簡単な野菜とされているので、野菜を育てるのが初心者の方にもおすすめの野菜です。
売り物トマトとの違い
一般的にお店で販売されているトマトの場合、輸送の都合でトマトの実がまだ青いまま収穫されることが多いですが、自分で育てる場合は、実が熟れて一番おいしい状態の時に収穫することができるのでより栄養価が高く、甘味のあるトマトを味わうことができます。生でそのまま食べるのはもちろんジュースやソースなどの加工用など、食べ方が多岐に渡るのも特徴的です。はじめての野菜栽培にぜひおすすめしたい野菜です。
おいしいトマトの育て方のポイント
肥料の量に注意!
肥料が多いと葉や茎ばかりが育ち、肝心のトマトの実の付きが悪くなってしまいます。
水分量に注意!
トマトは原産が乾燥した土地。湿気を嫌う植物なので、栽培時は水分の吸わせすぎに注意。
わき芽を摘む!
風通しを良くするためと、枝葉が茂りすぎて良いトマトが実らなくなるのを防ぎます。
肥料をあげすぎない
トマトは栄養を吸収する力が比較的強い野菜なので、肥料の与えすぎには注意が必要です。肥料を与えすぎると、茎や葉に養分が吸い取られてしまい、実の付きが悪くなったり、付いてもおいしいトマトになりにくくなってしまいます。プランターで育てる場合、市販の野菜用の培養土を使用すると簡単ですが、自分で配合する場合は赤玉土、腐葉土を混ぜたものに堆肥という肥料を少々加えて育てます。
水分をあげすぎない
トマトは湿気が苦手と言うことも頭に入れておきましょう。トマトは雨の少ない乾燥地帯の野菜なので、もともと日本の湿気の多い環境は苦手とされています。水を与えすぎるとその余分な水分は実に吸収され、水っぽく甘味の少ないトマトになったり、水分で実が裂けてしまうことがあるので、土の水はけをよくして、乾燥気味に育てることが大切とされています。
わき芽を摘もう
トマトを植え付けて育てていくうちに、葉のつけ根から「わき芽」が出てきます。せっかく出てきた芽を摘み取るのはもったいない気もしますが、トマトの育て方においてこのわき芽とりはとても重要な作業です。摘み取って1本仕立てで栽培することで、栄養が実に行き渡りやすくなり、実が大きくおいしいトマトを育てることができます。また、前述のとおりトマトは湿気を嫌うため、枝を一つに絞り風通しを良くして、病害虫の予防をする目的でも必要な作業となります。
トマトの育て方1:トマトの苗選び
よりおいしいトマトを育てるため、苗選びや土の準備など、下準備からこだわりましょう。
- 茎が太くてまっすぐのもの…茎が細かったり、曲がっていたりするものはNG
- 茎の節と節の間隔が狭い…節の間隔の長いトマトは実の付きが悪いとされます。
- 葉が大きく、変色していない…葉の色がおかしいものは、栄養状態が悪い可能性あり。
- 本葉が7~8枚ついている…本葉が多く、つぼみを付けているものを選びます。
- つぼみがついている…ついていないまま植え付けると実が育ちにくくなります。
茎が太くてまっすぐ、節の間隔が短いもの
トマトの栽培は、元気な苗を選ぶところから始まります。まずは茎が太く、まっすぐ生えているものを選びましょう。高さがあっても細くひょろっとした茎は生育環境が悪かったと言えるでしょう。
そして茎の節の間が短いものがより状態の良いトマトの苗と言えます。間隔が長いものは「徒長(とちょう)」と言ういわば「虚弱体質」である可能性があります。こういった苗は収穫量が減るので注意しましょう。
葉の色と数、花やつぼみの有無
茎のチェックの次は、葉を確認しましょう。葉が大きく、変色のないもの。濃い緑色が理想的です。葉の色が変だとか、あまり良くない苗は栄養状態が悪かったり病気の可能性があるので避けましょう。
また、葉がどれだけついているかも判断基準になります。本葉が少なく、花やつぼみがまだ付いていないものは、その段階で植え付けすると実が付きにくくなる可能性があります。
トマトの育て方2:トマトの植え付け・支柱立て
一番いい苗を手に入れたら、いよいよ植え付えけです。ここでもいくつかのポイントがあります。
- 植付けの時期を確認…最適な時期に植え付けてトマトの実をたっぷり実らせましょう
- 鉢は大き目のものを…トマトがのびのび育つよう、プランターは深さのあるものを
- 新しい土を使う…ナス科の植物を育てた後の土を使うと連作障害を起こします。
- 支柱を設置する…トマトは縦に大きくなるので、支柱で苗を支える必要があります。
トマトの苗はある程度成長してから植え付ける
植え付ける苗はある程度成長しているものが良いとされています。本葉が少なく、花やつぼみがついていない段階での植え付けはNG。若すぎるうちに植え付けてしまうと、その後、茎や葉ばかりが育ち、肝心の実が育たない「ツルボケ」という症状が出ることがあるので注意してください。
大きめの鉢ときれいな土で快適な環境作り
トマトは成長とともにどんどん根を張ります。プランターで育てる場合は深型の物(10号/直径30cmがおすすめ)を選び、そこにひと苗だけ植えるようにしましょう。
土は市販の野菜用培養土か、赤玉と腐葉土を混ぜ堆肥を加えたものを使用します。ここで注意したいのは連作障害についてです。
連作障害とは、ナス、トマト、ピーマンなどナス科の野菜によく起き、以前ナス科の野菜を育てたときの土を再度ナス科の野菜栽培に使用すると、うまく育たないという障害です。これを避けるためにも、ナス科の野菜を栽培するときは連続して同じ土を使用しないようにしましょう。
支柱を設置して栽培しよう
トマトの苗の植え付けを終えて10日くらい経過するとしっかりと根付き、茎がどんどん大きくなってくるので、支えるため支柱を設置して固定しましょう。
苗から5cm程度離れた場所に150cm程度の園芸用支柱を挿し、麻ひもなどで軽く結びつけます。このときつぼみのある方と反対側に支柱を挿すと、のちのちトマトの実がなったときに支柱が邪魔になりません。
トマトの育て方3:トマト苗のわき芽取り
トマトの苗が成長してくると、枝の付け根から新たに小さな芽が出てくるようになります。これを「わき芽」と言い、放っておくと大きく成長してしまいます。わき芽があることで、養分がメインの茎だけでなくわき芽にも分散してしまいます。また風通しが悪くなり病害虫が発生しやすくなります。これらの理由から、トマトを栽培する上で「わき芽取り」は欠かせない大事な作業となります。
見つけ次第早めに摘み取るのがポイントですが、摘み取った場所から病気が侵入しないよう、晴れた日に行うようにしてください。
トマトの育て方4:トマトの水やりによる過湿・乾燥を防ぐ
トマトの原産は南アメリカの乾燥地帯です。雨の少ない場所で育つトマトは水分を保持する力が強いので、水やりをこまめに行う必要がありません。水をやりすぎると根が腐ったり、実が裂けてしまうので注意が必要です。水をやるタイミングとしては、割りばしを土に挿し乾燥しているようだったり、葉が萎れ気味であればやるようにしてください。
トマトの育て方5:トマトに追肥をする
一段目のトマトの実が大きくなってきたら、肥料を追加しましょう。三本指でひとつまみくらいの肥料を、苗から少し離したところに撒いてください。その後は20日置おきくらいに追肥していきましょう。
トマトの育て方6:トマトの収穫
実が十分に色づいたら、いよいよ収穫です!熟したものからハサミでカットしていきましょう。サラダ、スープ、ジュース、ソース、生でかじりつく…料理の食材としても優秀なトマト。たくさん収穫して、いろいろなお料理を作ってみてはいかがでしょうか。
▲綺麗な形をしています |
▲真っ赤になったトマト |
▲収穫開始! |
▲おいしくいただきました! |
トマトの育て方7:害虫について
気軽に育てることができるトマトですが、気を付けたいのが病害虫です。葉を直接食べる食害性害虫、葉や茎の汁を吸う吸汁性害虫など、さまざまな種類でトマトに被害を与えます。下記のような害虫に気を付けましょう!
アブラムシ
群れになって植物の汁を吸うタイプの害虫です。種類を選ばずどんな植物にも出現しやすい害虫です。よそから病気を持ち込んだりもします。
コナジラミ
白く小さい姿をしている虫で、トマトの葉の汁などを吸ってしまいます。スス病と言う病気の原因になることも。
ハモグリバエ
幼虫は葉の中に潜り込み、食害しながら前進します。食害跡が特徴的な害虫です。別名「エカキムシ」とも呼ばれる害虫です。
上記のような害虫を予防するために、防虫ネットや寒冷紗で覆って物理的に虫を寄せ付けないようにしたり、黄色粘着シートで寄ってきた虫を捕まえたりするなどの対策を取っておくことをおすすめします。
▲粘着シートを設置したトマトの苗 |
▲成長に合わせて紐などでぶら下げてもOK! |
▲裏面には苗に被害を与える虫が |
▲虫の被害を抑えておいしい野菜を収穫! |
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